コラム

骨切り手術は何歳から何歳まで受けられるのか?🦴

2026.02.08

「骨切り手術を受けたいけれど、年齢制限はあるの?」「40代でも手術は可能?」美容外科や口腔外科で相談される方から、こんな質問をよくいただきます。実は、骨切り手術の適応年齢は一律に決まっているわけではありません。成長期の完了から高齢まで、個人の身体状態によって大きく左右されるのが実情です。今回は、骨切り手術の年齢に関する疑問を詳しく解説します。

1. 骨切り手術はいつから可能?成長期と手術タイミングの重要性

骨切り手術は、あごの骨を切って理想的な位置に移動させる治療法です。もし成長期の途中で手術を行ってしまうと、術後にさらに骨が成長して、せっかく整えた噛み合わせや顔のバランスが再び崩れてしまう恐れがあります。

特に下あごの骨は個人差が大きく、男性では18〜21歳頃、女性では16〜18歳頃まで成長が続くことがあります。

海外の権威ある研究(Proffit博士らの報告)によれば、成長期前に手術を行った症例(女性16歳以下、男性18歳以下)では、骨の後退や再変化が5年後に認められる頻度が高く、再治療のリスクも上昇する傾向にあります。 (PMID: 20181460)

2. 若年での手術は大丈夫?長期安定性のデータから見る適切なタイミング

Baileyらの報告によれば、継時的に“残存成長がほとんどない”と判断された若年症例(女性<18歳、男性<20歳)と成人症例を比較したところ、5〜10年後の正中咬合の保持率に大きな差はなかったと報告されています。適切に診断・タイミングを選べば、若年でも十分な安定性が期待できる可能性があります。 (PMCID: PMC2660601)

3. 骨切り手術に年齢上限はある?高齢者の手術適応について

骨切り手術に明確な年齢上限はありませんが、年齢を重ねると以下のリスクが高まります:
・骨がくっつくのに時間がかかる
・皮膚や筋肉の回復が遅くなる
・持病(心疾患・糖尿病など)による手術リスクの増加

一定の健康状態と手術・術後管理に耐えうる体力があれば、高齢でも適応可能ですが、慎重な術前評価が不可欠です。

4. 何歳で受ける人が多い?実際の手術データから見る年代別傾向

アメリカの大規模医療データベース(ACS-NSQIP)の解析結果(2008–2020年)によると、平均29歳(±11歳)での手術がもっとも多く、術後30日以内の合併症発生率は4.3%と低率であり、比較的若年〜中年での安全性が示唆されます。(PMID: 36835979)

5. 骨切り手術の年齢制限まとめ:大切なのは「年齢」より「身体の状態」

重要なポイント: 骨切り手術は「○歳から○歳まで」という年齢で決まるものではありません。以下の3つの要素を総合的にチェックして、手術が適しているかを判断します
①骨格の成長が完全に止まっているか
②皮膚や筋肉の状態は良好か
③手術に耐えられる健康状態か

✅ 結論

骨切り手術は 18歳頃から可能ですが、何歳まで受けられるかは「年齢」ではなく 身体の状態 で決まります。20〜30代は最も適応しやすい時期ですが、40代以降も適応はあり、むしろ併用手術との組み合わせで美しい結果が期待できる場合もあります。逆に成長期や高齢で全身状態に問題がある場合は、適応外となります。

おわりに:まずは正確な診断と専門医相談を

骨切り手術は、見た目の改善だけでなく、機能障害の改善という目的のある治療です。いきなり手術を決めるのではなく、認定を受けた専門医のもとで、正確な診断と丁寧な説明を受けることが、後悔のない治療につながります。

あなたに最適な手術タイミングを知りたい方は、ぜひ一度専門医にご相談ください。当院では、年齢や骨格の状態を詳しく診察し、一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。



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この記事の監修者

医師

森山 柾純

Masazumi Moriyama

【経歴】
2018年 金沢大学医薬保健学域医学類 卒業
2020年 浜松医科大学医学部附属病院 形成外科
2021年 静岡赤十字病院 形成外科
2021年 京都芸術大学芸術学部デザイン科 編入
2022年 静岡県立こども病院 形成外科
2024年 焼津市立総合病院 形成外科
2025年 京都芸術大学芸術学部デザイン科 卒業予定
2025年 東京警察病院 形成外科・美容外科 勤務

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